技術はあくまでもプロでなければならぬが、考え方はアマチュアの方が良い。アマチュア精神は、ある意味で好奇心につながるものだ。一見馬鹿馬鹿しいと思えることでもやってみる精神。これを失ってはいけない。それが、玄人になると「先見え」してしまう。「こうやって、ああすれば、そうなると決まっている。それなら、こっちのほうがええから、新しいことはやめとこ」と、なるのである。私は、こうした玄人にはなるまいと思う。アマチュア精神、つまり馬鹿馬鹿しいと思えることでもやってみる「遊び心」あればこそ、新しい発見も生まれるのである。
(以上、『心と技の美』より全文抜粋)
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