私の作品で登り窯へ入れて焼成するものには、ほとんど自然の灰を使う。坪島土平用にと作って持ってきてくれる人があるのだ。窯ものは、基本的に杉灰、松灰を使っている。廣永の土地は、赤土で針葉樹が多い。木の幹が赤いのは鉄分が多い証拠であって、赤土の土壌では松など針葉樹が良く育つと言われる。逆に、美濃のような白い土だと、針葉樹が少なく雑木林が多くなる。針葉樹は灰にしても鉄分が多いため、還元すると青磁のような色、酸化すると黄色っぽい色が出る。そこで廣永では、窯として出す商品の質を長期に渡って維持するため、廣永独自に調合した釉薬を使い品質を保つことに専心している。
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